ヤンデレくんとツンデレちゃん
「もちろん送ってくれるよね?」
サングラスを外した玉城さんが「2時間。2時間たったら迎えにくるわ」と答えた。
「十分だよ。それだけあれば、まわれる」
玉城さん、いつの間に運転席にいたんだろう。
別荘に来るときは別の男性だったのに。
わかっていてこの車に乗ったってことは、愛はなんだかんだ玉城さんのこと信用してるんだよね。
「……って、待って」
「なに梁ちゃん」
「S社って言った?」
「うん。言ったよ」
知ってる、その会社。
ううん、知ってるなんてもんじゃない。
そこそこ有名な企業だから知ってるわけじゃない。
「……ほんとに、そこに行くの?」
「うん」