ヤンデレくんとツンデレちゃん
ほんっと、強引だなぁ。
おばあちゃんにお祭りにきていて愛の別荘に泊まってもいいかと電話したら、『めぐむくんによろしくね』と即オッケーをもらえた。
おばあちゃん愛のこと信用しすぎでは……?
そりゃあ毎朝のように迎えに来ていたし、家にも呼んで、そのとき手土産渡されたりしてて。
面識あるとはいえお泊り許可くれるなんて甘いな……!?
おかげで今夜はお泊りが決定してしまった。
「お祖母様、なんて?」
「……いいよって」
「やったね」
「…………」
「そうそう。さっきの話の続きだけど」
「え?」
「今年はどこの花火大会も終わってたり、さすがにギリギリじゃ予約はもういっぱいだろうから。来年の楽しみに置いておいてもいいよね」
「!」
「とりあえずのところは2人きりでしよ」
「……うん」
来年も当たり前のように過ごすと思ってくれているのが嬉しい。
「……あ」
愛が立ち止まった。
「見て、梁ちゃん」
「ん?」
「あったよ」
「なにが……」
愛の視線を追ってみつけたもの。
それは。
――金魚すくいだった。