ヤンデレくんとツンデレちゃん
「おっはよー!」
翌朝、マンションから出ると元気よすぎるアイツがいた。
今日はまた一段とテンションが高い。
「今朝も最高に可愛いね、梁ちゃん」
「…………」
「さぁ、おはようのキ……」
「しません」
両手を広げてハグ待ちであろうアイツをスルーして歩き始める。
「昨日の夜、電話したのになぁ?」
知らない番号からの着信が入っていて、まさかとは思ったが。
コイツだったのか……。
「どうやって携帯番号調べたの?」
「愛の力かな」
「嘘だ。絶対に嘘だ」
「そんなことより、まぁ聞いてよ」
なんだかんだ今日もまたコイツと登校してる。
「昨日眠りにつく前に、朝起きて一番に梁ちゃんが視界に入ってきたらどれだけ幸せだろうって考えたら悶々としてしばらく眠りにつけなくて大変だったよ」
「そんな展開永遠におとずれないね」
「ってことでさ。うちにお泊りにおいでよ。今夜にでも」
「聞けよ」
「それか、ボクがお泊りにきてもいい?」
「……絶対に来るな」
……やっぱり鬱陶しいな、コイツ。
「あれ? あれれ?」
「なに」
「今、ちょっと間があったよね。それって少しは泊めたくなったのかな? ボクのこと」
「まさか」