ヤンデレくんとツンデレちゃん
だから、ハッキリいって、


あんたは重い――。


「そっか。梁ちゃん……ボクに理想の男に近づいて欲しいんだね……」

「は?」

「自ら好きなタイプをアピールしてくるなんて」


ぐっと顔を近づけてくる。


「は、離れろ……」

「尊いよ、梁ちゃん」

「離れ、」

「食べていい?……骨の髄まで」

「っ、鳥肌たった!!」


ドンとアイツを押して歩き始める。

なにを言っても堪えないヤツ。


「……でもね、梁ちゃん」

「なに」

「ボクはキミを思う間だけ、ボクになれるんだ」


――?


「だから、梁ちゃんを想う時間は大切にしたいな」


落ち着いた口調で話す闇雲愛。

……らしくない。


「わけわかんないよ」

「わからなくていいよ」


それじゃあまるで、


あたしには踏み込んでくるのに

自分には踏み込むなって言ってるみたい。


「なんかしんみりしちゃったね」

「別に……どうでも……」

「そうだ、ボクとこのまま制服デート♡にでも行こうか。あ、でも制服だと入れないとこも……あるよねぇ」

「ひとりで行って」

「恥ずかしがることないじゃん」

「気持ち悪がってるの」

「やっぱりスウィートなところがいいね?」

「スウィートだろうがビターだろうがあんたとはいきません」
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