千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「おーい?寺原?」


「あっすみません!ぼーっとしてました!」


咄嗟に嘘をつく。

視聴覚室までの廊下がやけに長く感じる。


「悪かったな。手伝わせちゃって」


「…いえ!先輩こそ、大変ですよね。お疲れ様です」


「好きでやってるからいろいろ楽しいぞ!みんな手伝ってくれるしな!」


「…それは、小林さんもですか?」


「小林?そうだな!俺が実行委員長をやるって決まった時進んで副委員長に立候補してくれてな!あれは確かに嬉しかった!」


一気に冷や汗が出てくる。
だってあの目はどう考えても千秋先輩が好きな目だもん!!!


「こぉー小林さんって可愛いですよね!」


「は?」
千秋先輩が怪訝な顔をする。
心なしか苛立ってる…?

「…俺そういうの疎いらしいしよく分かんないけどさ………
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