千秋先輩。その鈍感、本気ですか?

どこか抜けてる

『私、小林さんは強敵だと思うな。もっとはっきり千秋先輩が好きなら言えばいいのに!って思うけどあれくらい回りくどくした方が逆に千秋先輩って人のこと考えがちだから察するのかなって。それにね、悪い人では無さそうなんだよ』

愛海ちゃんとの電話がもう1時間超えてる。

あの後、結局今度は私が恥ずかしくなっちゃって先輩を置いてきちゃって、愛海ちゃんは気を利かせて先に帰ってくれてたんだけど、その時小林さんと一緒だったみたい。

『でもでも、綾乃ちゃんが1番千秋先輩といい感じだと思うし!私は綾乃ちゃんに幸せになってほしい!』


「愛海ちゃん!そのことなんだけど…!」
今日あったことを全部説明する。


『…いろいろ言いたいことはあるんだけどね。まず綾乃ちゃん。「告白し直す」って言ってる時点で告白しちゃってるよね〜』


「嘘…ほんとだ…」
絶対千秋先輩気にしちゃう!
自分の勝手さに嫌になる。


『で、でもさっ。これでちょっとは今以上に千秋先輩も綾乃ちゃんのこと意識してくれるよ!』


「…そうだね!それは嬉しい!」

コンコンッ


「あやー??入って大丈夫ー?」


「お姉ちゃん!ごめーん今はちょっと…」


『いいよいいよ!いっぱい話し込んじゃってごめんね。じゃあ綾乃ちゃんまた明日ね!』


「あっごめんね!また明日!」


「入って大丈夫?ごめんね、電話してたの邪魔しちゃって」


「ううん、どうしたの?」
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