千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「ところでさ、あやは千秋君とどんな感じなの?」


「そうそれ!お姉ちゃん聞いてよ〜…」





「…それは、もう告白してるんじゃない?」
いつも優しいにこにこのお姉ちゃんを苦笑いさせちゃう私って…。


「やっぱりそう思う?明日から千秋先輩の態度が急に変わっちゃったりしたらどうしよう!先輩委員で忙しそうだから文化祭の時に告白しようって思ってたのに!」


「逆にいいんじゃないかな?あやのこともっと意識してくれてると思うし、時間がある分、千秋君もちゃんと考えてくれると思うよ」


「そうだよねっ、私もクラスのこと頑張らないといけないし!」
持って帰って来た紙袋を出す。


「聞いたよー!王子様なんだって?で、輝君がお姫様なの?すごく楽しそう!!絶対見に行くね!」


「ありがとう〜!」


「それがあやの衣装?」



「そう!衣装係の子がいるんだけど大変そうだから自分の分持って帰って来たの!今上着にマントを縫い付けてて…」


「あや、そこ縫っちゃったら動きにくいと思うよ。肩パットとかしないの?」
さすがお姉ちゃん。お裁縫も万能。


「あーそっか!私お裁縫得意じゃないから肩パットの存在も忘れてた」


「これ、明日いるの?」


「ううん、前日までは大丈夫!」


「じゃあ1週間くらいか…よし!これはじゃあお姉ちゃんがやってあげる♪」


「いいの⁉︎助かる!!」


「いいよ〜。私のクラスはもうほとんど準備できてるし。だからあやは演技に集中してね!」


「ありがとう!!」
持つべきものはよくできたお姉ちゃんだ!
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