千秋先輩。その鈍感、本気ですか？

「失礼します。寺原さんっているかな？」


「はい！あっ、」

愛海ちゃんが一瞬眉をひそめる。
教室から可愛いっていう感嘆の声がぱらぱら聞こえる。

小林さんのこと、すっかり忘れてた！

「教室残りお疲れ様。今ちょっとだけ出れる？委員のことを相談したくって…」


「小林さんっこんにちは！私も行った方がいいですか？」
愛海ちゃんが笑顔で小林さんに駆け寄る。

「内田さんは大丈夫。ありがとう」
小林さんも愛海ちゃんに笑いかけて…るけど、なんとなく険悪オーラが流れる。


「あやーこっちはとりあえず置いといていいぞ。どうせまだみんな帰らないと思うし行ってこいよ」
輝が善意100%の笑顔で言ってくれる。

「良かったぁ。じゃあ行こっか♪」
小林さんがふわっと私の手を取る。

悪い人ではなさそうなんだけどなぁ、、