千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「綾乃ちゃん、大丈夫…?」
愛海ちゃんだけが心配そうに私の肩をさする。


もうこうなったらやけだ!


「そうです!他に好きな人ができました!」

みんなからおーっと歓声があがる。



「それはズバリ!バスケ部ですか?」



「それは…」



さすがにそれを言っちゃうとバレるかもしれない!

言葉に詰まってしまう。




「困ってるだろ。やめてやれよ」




千秋先輩が私をかばうみたいに立つ。





「あれっ、千秋。いつ来たんだよ」




「今。話の内容は知らないけど
寺原が1人囲まれて困ってたから。
聞かれたら困ることだってあるだろ」



先輩…



「…そうだよな〜」




「ごめん綾乃ちゃん!調子乗りすぎちゃった」



七菜先輩や他のチームメイトも謝ってくる。




「千秋先輩!ありがとうございます!」



「ん。嫌なことは嫌ってはっきり言えよ?」



「はい!」


さっきまでのことが無かったみたいに
いつも通りの部活が始まる。
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