千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
引退試合から帰ってきて、
走ってボールを持って公園に出かけた。



今日は別に、千秋先輩が居なくてもいい。


とにかくバスケがしたい気分!



ダンッダンッ



オリエンテーションの時に見た
千秋先輩のスクープショットの練習をしてみる。



最近はここに来ても千秋先輩の練習を見てサポートするだけで、
全然私自身が体を動かしてなかったから
体が重くて思うようなバスケができない。



何回シュートしても高さが足りなかったり
タイミングが遅かったりして全く入らない。



「鈍ってきたなー」





「鈍ったんじゃなくて、疲れてんだろ。ちょっと休め」




後ろから声がする。
と同時にペットボトルが投げられた。


びっくりして取り損ねそうになる。



「千秋先輩!い、いつから見てたんですか!?」




「結構前。すぐ声かけようと思ったけど
寺原が珍しくすげー必死に練習してたから見てた」



恥ずかしい!



先輩にもらったお水を飲みながら、
2人でベンチに座る。
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