千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「もしかして、あや本当に俺らが噂されてる原因が幼馴染で仲良いからだって思ってるわけ?」





輝が笑う。まるで、嘲笑うみたいに。





「…は?」





輝は今、何を言ってるの?

輝が、輝の次の言葉が、恐い。





「俺が噂流してるって言ったらあやはどうする?」





「輝が!?なんでそんなこと…」





「決まってんじゃん!」




輝が私の腕を引っ張る。

バランスが保てなくてふらつくと、

輝がぎゅっと私を強く抱きしめた。





「…あやが好きだから。本気で」
 




「ッ輝!離して!苦しい!」





「嫌だ!!」




輝が怒鳴る。





「あや、ごめん。本当は言うつもり無かった。
でも俺、いっつもふざけてばっかだけど
これだけは本気。絶対、あやのこと振り向かせるから」




輝の心臓がものすごく速い。

声も、この手も震えてる気がする。

この言葉が嘘じゃないことは誰にだって分かる。



でも…



「離して!!」




無理矢理輝を突き放す。




「〜〜〜輝っごめん!!」




逃げるみたいに、

ううん、実際逃げたんだ。


私は気がついたら、あの公園にいた。
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