千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
ピロリン♪
通知の音で目が覚める。
明るくてあったかい。
(ん〜…ってえ!?
もしかして、私公園で寝ちゃってた!?)
慌てて起きると
…なぜかベッドの上にいた。
ここ、私の部屋!?なんで!?
1人でパニックになっていると、妹の瑠璃が部屋に入って来た。
「綾おはよー。具合大丈夫?」
「具合?」
私の返事より先に瑠璃が私のおでこに手を置く。
「うわっ熱っ。美月ちゃーん!綾、すごい熱上がってる!」
「ちょっと待っててー!」
お姉ちゃんがぱたぱたと果物と体温計を持って来た。
「とりあえず熱計って。
瑠璃はもう学校行っていいよ。
今日はお母さんもお父さんもいないし私が看病するから」
「分かった!綾、ゆっくり休みなよ。行ってきます!」
「う、うん。行ってらっしゃい…」
どういうこと?昨日のことは夢だったのかな?
でも、ベンチにうずくまった時の寒さとか
輝から逃げた時に受けた風の感触はまだ覚えてる。