千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「ありがとうございます、ふふっ」





「もう笑うなって!近所迷惑だろ!」




家の前まで来ても笑いが収まらない。



「だってまだ先輩顔ちょっと赤いですもん」




「寺原だって顔赤いぞ」




「いやでも先輩に比べたら…

「あや?」



向こう側から輝が帰って来た。



ものすごくびっくりしてるみたいに見える。





「千秋先輩?」





「おー輝!そっかそっか、お前ら家隣だもんな!」





「どうしたんですか?珍しいっすね、
部活外なのに2人なんて」



輝が自転車を降りてこっちに来る。



…なんか、怒ってる?





「ちょっと一緒に練習してたら暗くなったから送ったんだ」



何の悪びれもなく先輩が答える。

輝の眉がぴくっと動く。





「…2人でっすか?」





「ああ!」





「…あの、千秋先輩」




輝が突然頭を下げた。



私も千秋先輩も困惑する。

「何やってんの輝!?」

 


「お前どうしたんだよ!?」





「…ぎの」





「え?」





「次の試合で俺と勝負して下さい!!」
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