千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
日が経つのはすぐで今日はもう試合当日だ。



さすが強豪校。


みんな体格が良いし貫禄がある!





「上甲路学園、やっぱりすごいね!」





「私、ちょっと緊張してきました…」





「愛海ちゃんの気持ち分かるよ!私もだもん!」





「綾乃ちゃんでも緊張するんだ?」




七菜先輩が私を指差す。

それはいつもと何一つ変わらないから逆に戸惑ってしまう。





「?どしたの綾乃ちゃん?」





「なんでも無いです!すみません!やっぱりちょっとは緊張しますよ〜!」




口を笑顔の形にする。いけないいけない。平常心!!





「そっか、びっくりした。急に固まっちゃうから。さ、準備するよ!」
 




「「はい!」」





タオル、テーピング、ドリンク全部準備オッケー!





「あや!!」




輝が駆け寄って来る。




「絶対、全部見てて」




「分かってる。頑張って」




それだけ言うとすぐ持ち場に戻った。

七菜先輩がじっとそれを見てる。



「七菜!」




今度は千秋先輩が七菜先輩に駆け寄る。

恋人って知ってからツーショット見るのはキツイな…


しかも、2人は誰にも聞こえないようにこそこそ話してる。千秋先輩は真っ赤だ。



ピピーッ



ホイッスルが鳴って、みんな整列する。




「気をつけ、礼!」









「「「お願いします!!!!」」」
体育館中に声が響いた。
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