千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「見ててすぐ分かった。やばいじゃん!!!」
七菜先輩が千秋先輩に怒鳴ってる所が見えた。
「このままだとまずいよ!
早くメンバーチェンジして!!!!」
七菜先輩の泣きそうな声が細く響く。
メンバーチェンジ!?
「だから…言ってるだろ、輝と勝負してるって。
今俺負けてるし絶対ベンチ入りしたくない」
千秋先輩がいらいらしながら七菜先輩に抗議する。
「そんな勝負で千秋の足がめちゃめちゃになったらどうすんだよって言ってんの!!!!!!」
「足!?」
2人がすごい勢いで同時に振り向く。
千秋先輩が、私の顔を見て"しまった!!"とばつが悪そうにしてる。
「綾乃ちゃんお願い!もう無理なの!!
今回の勝負はもう終わりにして!
見てよこの足!このバカ試合にまだ出るって言ってんの!!!!」
七菜先輩が半泣きで千秋先輩の足を指差す。
隠してた跡があるけど、裸足になると腫れが一瞬でわかる。多分立ってるのも辛いくらいだ。
思い出せば、不自然なことはいくつかあった。
低くなったジャンプ。
夜の練習に来るなってメール。
こんな足だったのに、勝負引き受けてくれてたんだ。
申し訳無さでいっぱいになる。
「千秋こんなだからこの前もよろけて私に倒れ込むし、試合前にはテーピングで足なんとか誤魔化してくれって頼んでくるし…
「おい七菜!」
「だって!!!」
「千秋先輩。すみません巻き込んでしまって。
もう大丈夫です。
私今回の試合で先輩の足が悪くなっちゃうなんて嫌だし。輝にも話して…
「だから!!」
千秋先輩の怒鳴り声で一気に静まる。
「だからさっきから言ってるだろ。
《ベンチに入るのは御免だ》って。
寺原、本気で俺が後輩のために巻き込まれてるなんて思ってんのか?違うぞバカ!」
千秋先輩が一息で喋った後、私の目を見る。
「俺がお前を輝の所に行かせたくないんだよ」
《上甲路学園対宮西東高校、後半戦を開始します。生徒は速やかに指定の場所に戻って下さい》
アナウンスが流れると千秋先輩は弾かれたみたいに持ち場に戻ろうとする。
「千秋先輩待って!」
千秋先輩は振り返ってタオルを顔に投げてきた。
「いいから黙って見てろ!」
それだけ言って走っていった。
七菜先輩が千秋先輩に怒鳴ってる所が見えた。
「このままだとまずいよ!
早くメンバーチェンジして!!!!」
七菜先輩の泣きそうな声が細く響く。
メンバーチェンジ!?
「だから…言ってるだろ、輝と勝負してるって。
今俺負けてるし絶対ベンチ入りしたくない」
千秋先輩がいらいらしながら七菜先輩に抗議する。
「そんな勝負で千秋の足がめちゃめちゃになったらどうすんだよって言ってんの!!!!!!」
「足!?」
2人がすごい勢いで同時に振り向く。
千秋先輩が、私の顔を見て"しまった!!"とばつが悪そうにしてる。
「綾乃ちゃんお願い!もう無理なの!!
今回の勝負はもう終わりにして!
見てよこの足!このバカ試合にまだ出るって言ってんの!!!!」
七菜先輩が半泣きで千秋先輩の足を指差す。
隠してた跡があるけど、裸足になると腫れが一瞬でわかる。多分立ってるのも辛いくらいだ。
思い出せば、不自然なことはいくつかあった。
低くなったジャンプ。
夜の練習に来るなってメール。
こんな足だったのに、勝負引き受けてくれてたんだ。
申し訳無さでいっぱいになる。
「千秋こんなだからこの前もよろけて私に倒れ込むし、試合前にはテーピングで足なんとか誤魔化してくれって頼んでくるし…
「おい七菜!」
「だって!!!」
「千秋先輩。すみません巻き込んでしまって。
もう大丈夫です。
私今回の試合で先輩の足が悪くなっちゃうなんて嫌だし。輝にも話して…
「だから!!」
千秋先輩の怒鳴り声で一気に静まる。
「だからさっきから言ってるだろ。
《ベンチに入るのは御免だ》って。
寺原、本気で俺が後輩のために巻き込まれてるなんて思ってんのか?違うぞバカ!」
千秋先輩が一息で喋った後、私の目を見る。
「俺がお前を輝の所に行かせたくないんだよ」
《上甲路学園対宮西東高校、後半戦を開始します。生徒は速やかに指定の場所に戻って下さい》
アナウンスが流れると千秋先輩は弾かれたみたいに持ち場に戻ろうとする。
「千秋先輩待って!」
千秋先輩は振り返ってタオルを顔に投げてきた。
「いいから黙って見てろ!」
それだけ言って走っていった。