千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「そう来たか〜」



愛海ちゃんが苦笑いする。
隣の輝はゲラゲラ爆笑してる。



「確かに綾乃ちゃんの言い方だと
輝くん以外に本命がいるのは分かってても
それが自分だとは千秋先輩ならまず考えないだろうね」





「思いっきりそうやって言ったの忘れてて…」






「じゃあ告白すればいーじゃん」




輝がいちごミルクを飲みながら加勢する。



「俺、千秋先輩にあやもう告ってると思ってた」




「まだ告白のタイミングじゃないと思って…」





「綾乃ちゃん。行動あるのみ、だよ」




そうだった。

この2人は行動派だった。




「いや、でも…」




「文化祭で告白すれば?もう近いじゃん。
そしたら夏休みはデートし放題だし」





「じゃあ輝くん。私ともデートしてくれる?」





「愛海ちゃんぐいぐい来るね…。
そだね、夏休みは2人でどっか行こっか」





「本当!?冗談で言ったつもりだったんだけど、
嬉しい…」




「冗談なら言わないでよ!
俺が誘ったみたいじゃん恥ずかしっ…」




…なんか最近、しょっちゅう2人の世界に入られてる気がする。

ここだけ空気が甘い。


輝が愛海ちゃんに軽口叩くようになったからかな。



「でも文化祭で告白はいいと思うよ。
なんかね、後夜祭のペアダンスで一緒に踊った2人は今後も仲良しでいれる、みたいなジンクスがあるみたいだし」




「へー知らなかった!お姉ちゃんに聞いてみようかな」





「それがいい。…でも千秋先輩ってモテるけど、あやちゃんと早めにお願いしろよ?」





「う…そうだね。頑張ります…」
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