キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
第1章 突然のキス!
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「……そこの君、待って! 止まってくれ!」
不意に背後から声をかけられて、もしかして自分のことだろうかと振り向くと、
いきなりぐいと腕を引かれて、スーツの胸元に抱え込まれた。
「…えっ、何?」
戸惑う私の身体をさらにグッと腕に抱いて、
「ちょっと黙って、こうしてて……」
言いながら、唇が近づいてきて、
「…待って、なに…」
よける間もなく、相手の唇が触れた。
「…んっ、…何する…っ」
「……黙ってと言っただろ。少しこうしていてくれ…」
唇を離さないままで囁いて、顔を斜めに傾けてさらに唇を押しつけてきた。
熱く柔らかな唇の感触に、一瞬気もちを持っていかれそうにもなって、
「…あ、の…!…やめて、ください…!」
慌てて、その身体を両手で押し返した。
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