キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
「……最初に出会った時、別れた彼女から逃げていたっていうのって……」
そこまで口にしところで、
「…ああ、あれは嘘だ…」
と、彼が話した。
「…えっ、嘘…?」
……やっぱりなの?という思いがにわかに浮かんで、握られた手を引きかけるのに、
その手をぐっと握り返して、
「……違う、悪い意味じゃない」
伏せた私の瞳を見つめると、
「あの時、逃げていたのは、別れた女じゃなくてストーカーなんだ」
と、彼は言った。