キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「そんな…謝ったりなんて…」

唐突に、あの日のキスが蘇る。

「……君しか、見えなかったんだ」

「……え?」

吐き出された言葉に、思い出したキスとともに一気に鼓動が早まるのを感じて、黙るしかない私に、

「……信じてくれるか? あの人混みの中で、俺は君だけを見ていた」

もう一度、今度は両手が握られて、そう告げられた。

何も言えないままで、首だけで頷くと、

「……ありがとう」

と、両手が引かれ、胸に抱き寄せられた。


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