キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
「……君に、二度目に偶然会った時に、たぶん俺に愛想をつかしたんだと思う」
「……二度目の偶然って……あの場にも、その彼女が?」
こぼれた話に、ちょっとびっくりして聞き返すと、
「……ずっと付きまとわれていたからな。それで、あのモデルの女性と君とも一緒にいたせいで、気が多い男だと勝手に思われたらしい」
アルコールに口をつけて、
「……彼女は、俺を理想の男のようにも見ていたようだから、他の女性の前で君に乗り換えるような素振りを目にして、幻滅をしたんだろう」
彼が言うのに、
「……。……それって、」
なんだか急に、口の中にまた苦いような思いが込み上がってくるのを感じた。
「……もしかして、私は、二回目もストーカーのだしに使われたってことなんですか……?」
口に広がる苦さを呑み下して、喉元を片手で押さえた。