キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
会計を済ませた彼に、
「あの、どうもごちそうさまでした」
声をかけると、
「いや、お詫びで奢ったんだから。悪いのは、いきなりキスした俺の方なんだし」
言われて、急にさっきのキスが思い起こされる。
喋る彼の口を、あの唇でキスを……なんて見ていたら、どんどん顔が火照ってくるのがわかった。
「……ん? 顔赤くなってないか?」
無言でぶんぶんと頭を振って否定して、横に顔をそむける。
「……もしかして、キス、思い出したとか?」
意地悪そうな声が耳元で聴こえたかと思うと、
チュッと、耳にキスをされた。
「…きゃっ」
思わず声が出て、耳を押さえるのに、
「……今日は、ありがとうな。そのキスは、次回までの予約だから」
そんな言葉をまたさらっと口にして、
彼は手を振って、私から離れて行った……。