キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

鮮やかな白い船体は、晴れ渡る空の青さによくマッチしていて、

こないだ見た青空の下の彼の笑顔みたいに、まばゆく感じられた。

「船を出すから、少しそこに座って待っていてくれるか」

デッキの先端に設けられたウッドベンチに座らされて、足元を見れば、

そこにはジャグジーがあって、ボコボコと既に勢いよく泡を立てていた。

「……ジャグジーまであるんだ…」

ぼーっと見ていると、

「入っていてもいいぞ?」

彼が言って、

「ああ、だがもちろん服のままじゃ入れないがな。水着持って来ておけばよかったか?」

と、笑った。

「…入らないので…」

からかわれてるみたいで、ちょっと口を尖らせて言うと、

「……俺と一緒なら、入るのか?」

本気とも冗談ともつかないようにも口にするのに、

「…えっ」と、戸惑っていると、

「…まぁ、また後でな」

と、ニッと微笑った後で、

「二人きりでなら、俺も入りたい…」

不意に付け加えられて、胸がドキリとする。


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