キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
しばらく呆然と立ちすくんで、後ろ姿を見送って、
何してるんだろう、自分…と、ふっと我に返った。
翻弄されすぎ……そう思って、ふと情けなくもなってくる。
手には、もらったばかりの名刺があって、
あのルックスで、二代目御曹司じゃ、追いかけるほどの女性も確かに多いのかもね……。
ぼんやりと考える。
……まぁ、私には高嶺の花かな。今日はたまたまアクシデントで出会っただけで、この先会うことなんてもうなさそうだし……。
そう考えて、名刺をカバンの内ポケットに深くしまい込んだーー。