キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

戸惑う私の足元に、ふいに彼が片膝をついて、

「…姫、よくお似合いで」

と、顔を見上げ微笑んだ。

「…ひ、姫って……」

「姫、お手を……」

おずおずと差し出したその手を取って、甲に口づけを落とすと、

「愛しの姫君、さぁ…」

手を取ったままで立ち上がって、

「……参りましょう」

本当にお姫様にそうするように、洒落たカフスの嵌まった袖に手が携えられた。

「そろそろ日が暮れる頃だから、デッキへ…」

スーツを着こなしたナイトのような彼にエスコートをされて、船室から出た……。


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