キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
オレンジ色の夕陽が射すデッキには、小さめの丸テーブルが置かれ、
その上には、氷詰めのクーラーがあって、シャンパンボトルが斜めに差し入れられていた。
「サンセットクルーズと、二人の出会いに乾杯をしよう」
ポン…という小気味いい音とともに栓が抜かれて、二つのグラスにシャンパンが注がれる。
「……乾杯」
彼の声にグラスをチンと合わせると、
そのまままたキスされそうにもなって、唇の前にグラスを掲げてガードをした。
「……意地悪をするなよ…」
シャンパングラスに唇があたって、彼が上目に睨むようにも見る。