キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「あっ…と、いきなりでごめん。都合が悪いならいいんだが、もう一度君に会ってみたくてな」

もう一度って……何これ、もしかしてデートの誘いとか?

とっさに考えて、思わず顔が熱くなりそうにもなる。

火照る頬を押さえて、

「…都合、悪くないです……」

口にした。

「……本当にか? 突然で悪いんだが週末に急に時間が出来て、そうしたら君の名刺が目に入って連絡してみたくなったから」

通話口から聴こえる話に、ナンパな調子が混じる。

……なんだ、たまたま目について、電話してみただけなんだ……。

高ぶった気もちが、急速にしぼんでいくようにも感じる。


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