キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「……6時ぐらいから会えるか? 君のところまで迎えに行くが」

私の気持ちにもお構いなしに彼の話は進んでいて、

「迎えにって、そんなのいいですよ!」

慌てて否定をして、彼女でもないのにと思う。

「ああ、気にしなくていい。俺は車で行くから、君の都合のいい待ち合わせ場所を教えてほしい」

「……車で?」

訊き返す。

「ああ……車だと、嫌なのか?」

「いえ…」

何も気にしてないような彼に、平静を装って応えて、

だけど、いきなり車で、二人っきりの逃げ場のない空間で……?

とか、危険な妄想がむくむくと頭をもたげる。



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