キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
「じゃあ、6時に…待ってるから。楽しみにしてる」
……電話は切れた。
暗くなったスマホの画面を、じっと見つめる。
……夢じゃないよね?
……また、会えるんだ……本当に。
じわじわと嬉しさが増してくる。
『たまたま目についたから』なんて言ってたけど、もうそれでもいい気がして、
つくづく自分ってちょろいようにも感じた。
……だって、あんなハイスペックな超イケメンになんか、もう二度と会える機会もないと思ってたのに……
また会えるだけでも、ラッキーと思わないと……
なんだかいろいろと複雑に絡み合う自分の気もちに、そう折り合いをつけて、
ツーツーと鳴っているスマホの通話終了ボタンを、グッと押し込んだーー。