キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
車が走り出した後も、繋いだ手の温もりがなかなか消えなくて、いつまでも見下ろしたままで黙り込んでいると、
「……どうかしたのか?」
心配したように、顔を向けられた。
「…いえ……」
応えて、
「…なんでもないです…」
とだけ言って、うつむいた。
「そうなのか? なんか気分が悪そうにも見えるが、もしかしてあそこの料理が口に合わなかったとか?」
「いえ、全然!」
気づかってくれるのに、慌てて顔を上げて、
「すごく美味しかったです!」
思わず力を込めると、
「そうか…」
クスリと小さく笑われて、よけいに恥ずかしさが募った……。