キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
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照れくさいばっかりで、喋ることも見つからず、黙るしかない私に、
「…ちょっと、そこの店に寄ろうか」
と、車が止められた。
見れば、そこは有名なブランドアクセサリーのショップで、そんなところにどんな用事があるんだろうと思う。
「……あの?」
ショップの前には手袋をはめたドアマンがいて、手を引かれるままに歩いて行くと、「いらっしゃいませ」と、ドアが引き開けられた。
……ドアマンのいるお店なんて、入ったこともないし……こんな高級ブランドなんて、いつも羨望の眼差しで眺めながら素通りするだけで……。
初めて足を踏み入れる店内に動揺する私の傍らで、彼は、
「都築様、ようこそおいでくださいました」
名指しで呼ばれて、
「ああ」
と、ごく当たり前のように店員に返していた……。