キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
「いいな、似合う…」
前に回って見つめる彼の視線に、自分も目を落としてネックレスを見てみる。
「……こんな、いいものを……」
鎖骨の辺りに揺れるネックレスは、石の煌めきを凝った細工で囲んでいて、素人目に見ても相当に高価なものに感じられた。
「…じゃあ、それを」
考える暇もなく、彼が言い放つのに、
「いえ! 本当に、いらな……っ!」
急いではずそうともするのを、
「ああ、そのまま付けていけばいい」
と、彼は微笑んで、支払いをするために出て行ってしまった。