キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
ーー部屋に辿り着いて、なんだか力の脱ける思いでドアを開けると、ベッドにそのまま倒れ込んだ。
「ハァーー……」
思わず、長いため息が漏れる。
疲れた……。あんなイケてる人とのデートなんて、くたびれるっていうか……。
ハァと、もう一度ため息を吐く。
「……またなんて言ってたけど、私には不釣り合いなんじゃないのかなぁ……」
デート中に何度も感じた思いを、ぼんやりと口に出す。
「……っていうか、それもただの社交辞令なのかもしれないし……だけど、」
と、キスされた唇をなぞる。
「……キス、されちゃったし…また……」
まだ会って間もないのに、二度目のキスとか……
……本気にでも、させるつもりなのかな……
今日のことを思い起こすだけでも、自分との絶対的な格差を感じるみたいで、
3度目のため息が、口をついた……。