キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
喉元を駆け上がる苦い思いに、
彼が連絡をくれた画面を、見るともなしに見つめた。
「……今回は、"たまたま"だったんだよね…」
たまたま…偶然の連絡……もうかかってすら来ないのかもしれない。
彼の番号を登録しても、だからしょうがない……。
今日一日、味合わされた彼と自分との違いに、なんだかふいに泣けてきそうにもなってくる。
「……番号、消しちゃおうかな…」
呟いて、だけどいざ削除しようとするとそれもできなくて、
(このままにしておけば、嫌でも消えちゃうよね…)
そう思って、着信履歴をそのままそっと閉じた……。