キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

お酒のせいなのか、思考がどんどん悪い方へと傾いていく。

彼と私とは、違いすぎるのに……。

「……会う意味なんて、何も……」

ネガティブな言葉が口をつく。

「……どうしてだよ?」

「……あなたには、だってさっきみたいな人の方がふさわしいから……」

言いながら、涙が滲む。

「ふさわしいかどうかは、俺が選ぶ」

その揺るぎないセリフに、顔を上げる。

「……。……泣きながら拒むとか、裏腹すぎだろ…」

彼の手が伸びてきて、滲んだ涙が指ですくわれた。



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