キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「……俺は、本当に会いたいと思う人としか、会わないよ」

「だって……」

それならなぜ連絡もして来なかったんだろうと思う。

そんな単純なことさえも聞けなくて、彼にやさしくされればされる程、不信感だけがいたずらに膨らんでいく。

込み上げる涙を止めようと、ワインを煽った挙句、

「……私なんて、あなたには似つかわしくない……っ」

溜め込んでいた思いを、彼に向かって吐き出してしまった。

呆れているのか、彼は何も喋らなくて、よけいに愚痴が止まらなくなる。


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