キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「あっ……」

ベッドを後ろ手にあとずさるのに、

「何を怯えてるんだ? ああ……俺が何かしたとでも思ってるのか…」

言って、ベッドに腰を下ろすと、

「別に何もしてないから、安心しろ」

と、話した。

「……何も……?」

「ああ、酔っ払っていたから、ホテルに連れてきただけだ」

「……ごめんなさい、私……」

自分の言動を謝るけれど、相変わらず記憶は何も蘇えらなかった。

「……だいぶ悪酔いをしていたみたいだから、ホテルで休ませようと思ってな」

「……悪酔い……、」

言われて、少しだけ思い起こされたのは、

彼と一緒にいた女性につまらない嫉妬をして、酔って八つ当たりをしている自分の姿で、

恥ずかしさに、一気に顔が赤くなってくる。


< 61 / 157 >

この作品をシェア

pagetop