キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

どう言ったらいいのかをためらっていると、

顔が寄せられて、

「……キスから始まったんだろう、君との出会いは」

今にもまた、キスをしそうな距離で口を開いて、鼻先に彼の吐息が触れる。

「…そう、ですけど……でもあれは、あなたの方から突然にしてきただけで……」

少しだけ後ろに距離を取って、ぼそぼそと言うと、

「……嫌だったのか?」

尋ねられて、首をもう一度振る。

「嫌だったとかいうのでもなくて……」

ますますどう言ったらいいのかもわからなくて、頭の中がぐちゃぐちゃにもなってくる。


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