キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」
「…はい?」
しっかりと手を握られて、引くに引けないまま、愛想笑いを浮かべる。
「……これから、どう?」
「…ど、どうって?」
訊かれていることはわかっていたけれど、すぐには応えたくない気がした。
「……わかってるよね?」
見透かすように再び尋ねられて、口をつぐむと、
「もう充分に関係も築いてきたし、そろそろいいだろ?」
「……。……だけど、デートは今日が初めてで……」
言いよどむ私に、
「……子供じゃないんだから、初めてとか関係ないだろう?」
薄く笑って言われて、
今までなんとなく抱いていた嫌悪感が、ピークに達した……。