キスから始まる……!「イケメン御曹司とキスして、フォーリンラブ!」

「くだらないわがまま、言ってんなよ…!」

振り払った手が、再び強い力で捕まれる。

「…嫌ですっ! 離して…!」

「……身体の相性も、大事だっていうことくらい、わからない歳でもないだろうが…」

大人の常識のようにも話すのが、よけいに嫌悪感を募らせる。

「…嫌っ、本当にっ!」

声を上げかけると、

「……黙れって」

と、口を押さえられた。

「……付き合ってもらうから。そのために、ここまで時間をかけてきたんだ……」

言うのに、口を押さえられたままで首を懸命に左右に振った。


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