生きていくこと
病院に着いてすぐ初療室に連れて行かれた。




苦しくて咳もとまらなくてなんだかぼーっとする頭で、記録どうなるの、夕方までだからいけるか、あーもう最悪だ、運ばれる羽目になるなんて。と考えていた。




ことはも手を握ってるもんだから、他の連れてきてくれた先生たちは初療室に一緒に入ってこなかったのに、竹内先生は一緒に入室。




「サチュレーション85か、酸素リザーバー10リットルではじめようか。モニターついてるね、坂田先生(たぶん研修医)ルートとってください」




「だいぶ苦しいね。ちょっと失礼」
そういってことはの胸に聴診器をあてる。




「ウィーズあるね、喘息かな?」
ことはが頷くと
「発作の時に吸う薬、使った?使ってたら何回使ったか指で教えてくれる?」


ちゃんと数えてないよ……とりあえず10




「10回ね。どうりでだいぶタキってるなぁ。……ベネトリン0.3mlと生食2mlで吸入はじめようか。
白石さん、これスースー吸ってね」
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