生きていくこと
「……ええ、はい、それは厳しいかと思います。酸素外せる状態ではないので…。はい、はい、じゃあお待ちしてます」




「お母さん、迎えに来るって。かかりつけに連れて行くって言ってるけど、距離がねぇ…」




お母さん、なんで急に迎えに来るだなんていい出したんだろう……
「はい……」




─ことはの母到着─




「あ、お母さんですか?…電話で伝えたとおり、ことはさんは今、自分の呼吸だけでは酸素が足りない状態です。あのモニターの水色の数字が酸素の値です。酸素を吸っていても92%ほどなので、自家用車で連れて帰るのには無理があります」




「そうですか。ご説明ありがとうございます。……ことは、大丈夫よね。慣れてるものね。いつもの病院のほうが家も近くていいでしょう。」




……この感じ……。すっごく迷惑だって顔してる。
「うん……大…丈夫」




「本人も大丈夫だって言ってますし。連れて帰ります」




お医者さんが「いやー、お母さん…」と言いかけると




「入院って任意ですよね。ご心配していただいてありがとうございます。……この子の喘息は小さい頃からですし、私もこの子もよくわかっていますから大丈夫です。失礼しますね。」




「……わかりました。では今より苦しそうにしたり、意識が遠のいているようならすぐに電話してください。」




「はい、そうさせていただきます。…………じゃあことは行くわよ」
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