生きていくこと
はじめから仲がよかったわけではなくて5月くらいまでは学校ではほとんど話もしなかった。
技術演習の試験が近くなると朝はやく学校にいって練習するくらい。




その成果かベッドメイキングの試験は一発合格できた。一発合格できた人はクラスの2分の1もいなかった。




その日の夜、ことはが布団カバーをかえていたら


「またベッドメイキングしてるの?笑
ねぇねぇ、それ終わったら暇?暇だったらさコンビニにアイス買いにいかない?」


そう穂乃里に声をかけられた。




穂乃里ちゃんと仲の良い子、落ちちゃったから誘いづらいのかな……。そんなことを思いながら一緒にアイスを買いに行った。




「おいしいね!ご褒美最高ー。もうさ、5月半ばになると暑くなってきてアイスが恋しくなるー」




「そうだね!アイスっていいー。寮に置いときたいけど、名前書いても食べられちゃいそうだよねー」




「ほんとそれ!お部屋に1個あればいいのになぁー。同じこと思ってるんだね、私とことはちゃん。……なんかさこんなふうに話すことあんまりないよね、同じ部屋なのに」




「たしかに。でもさ、ベッドメイキングの練習、誘ってくれて嬉しかった!受かったのもそのお陰だよ」




「えー、ほんと?誘うときドキドキしたんだよ。私、パートナーの子朝はやく来ないから人と練習できないなーことはちゃんもそんな感じだったし誘ってみよー、断られたらどうしようって思ってたもん。私さ、ことはちゃんの第一印象、今だから言えるけど、どっかのお嬢様かーって感じだった」




「そうだったんだー。なんか穂乃里ちゃん大人っぽいから敬語で話しかけちゃったんだよね」




「ふーん、まあ、ことはちゃんよりは大人っぽいと思うなぁ笑。………なんかさ色々思ってることってあるよねー。ちょっと知れてよかった。……ことはちゃんってさみんなに“はーちゃん”って呼ばれてるじゃん。私も呼び方変えようかな」




「やっぱり童顔なのかなーわたし。あ、いいね!好きに呼んで。じゃあ私も変えようかな」




「いいよ!じゃあじゃあ、ことは!みんな“はーちゃん”って呼ぶけど同居人だし、お近づきのしるしに笑」




「なんか、いいね。じゃあわたしもほのりって呼ぼうかな」




「いいねー。あ、そうだ今度のテスト勉強一緒にやらない?」




「え、いいの?やろー!」



こうして段々と距離が縮んでいった。
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