生きていくこと
夏休み前最後の実習記録を提出する日、ことはの体調は最悪だった。




「ことは、ほんとに大丈夫なの?ヒューヒューいってるし顔色悪いよ」




「だ、たいじょぶ。ヒューヒュー…ゲホゲホッ……記録…出したら………そ…うた……いヒュー…しよう…かな」




「全然大丈夫じゃないよ、ことは…。吸入、吸える」
そういいながらことはの背中をさすって、吸入薬のふたをあける。




「…………おちついた、でしょ。ゲホゲホッ」




「真っ青のままだよ、爪もほら、チアノーゼ。
荷物持ってあげるからとりあえず学校行って記録提出して、病院。すぐ隣にあるんだから」




「…………………うん」
< 8 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop