生きていくこと
なんとか学校にたどり着いて、記録を提出しようと教務室前に行ったら、ことはが信頼してる竹内先生が歩いてきて
「おはよう…ってどうしたの?苦しい?ちょっと座ろうよ」と。




「竹内先生、よかったぁ。ことは、昨日の夜からこんな調子なんです」




「そ、ういうことハァ…ヒューヒュー、言わなくて、ゲホゲホッいいか…ら…。たいしたこと、ハァハァヒューヒューヒュー…ないん……です」




「(背中をさすって脈をとりながら)うんうん、わかったよ。佐々木さん、他の先生、呼んできてくれる?車椅子も」




「い、わない、で」




「心配なの、わかったから。だいじょぶ。ね」




竹内先生にそう言われて数秒後には教員に取り囲まれてSpO2を測られひたすらに何か声をかけられていた。




ことはの喘息は看護学校に入ってからも入院するほどで軽くはなかったが入院したのがちょうど長期休暇で学校には言っていなかったので、知られたことが嫌なのもあり、全く落ち着けずにいた。




「84パー。急外連れてきましょう。白石さん、病院行こうね」




有無を言わさず(言えないけど)先生たちに連れられて行くとき、竹内先生はことはの手を握って
「はーちゃん、こわいね、だいじょぶだいじょぶ。」と声をかけてくれた。




先生ももとは看護職者。そういうの上手。
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