ロッカールーム
☆☆☆
その夜はお父さんと2時間半会話できる時間を貰えた。
少しずつ、少しずつだけど時間は確実に長くなってきている。
「ねぇお父さん。場所を変えることはできないの?」
いつも湿っぽい旧校舎の『ロッカールーム』にいるあたしはそう聞いた。
「ごめんな。この場所を離れるためにはもっともっと力が必要なんだ」
お父さんは申し訳なさそうにそう言った。
もっともっと、か……。
今でも色々と考えて頑張っているのに、これじゃ足りないのだ。
そう思うと気が遠くなってしまいそうだ。
けれど、頑張ろう。
両親ともう1度外へ出て歩けるようになるために。
「そのためにはどうすればいい?」
そう聞いたのはサクだった。
「そうだなぁ。例えば人の汚い欲望は1つだけじゃない」
「どういう意味?」
あたしが聞く。
その夜はお父さんと2時間半会話できる時間を貰えた。
少しずつ、少しずつだけど時間は確実に長くなってきている。
「ねぇお父さん。場所を変えることはできないの?」
いつも湿っぽい旧校舎の『ロッカールーム』にいるあたしはそう聞いた。
「ごめんな。この場所を離れるためにはもっともっと力が必要なんだ」
お父さんは申し訳なさそうにそう言った。
もっともっと、か……。
今でも色々と考えて頑張っているのに、これじゃ足りないのだ。
そう思うと気が遠くなってしまいそうだ。
けれど、頑張ろう。
両親ともう1度外へ出て歩けるようになるために。
「そのためにはどうすればいい?」
そう聞いたのはサクだった。
「そうだなぁ。例えば人の汚い欲望は1つだけじゃない」
「どういう意味?」
あたしが聞く。