ロッカールーム
レストランに到着したあたしたちは奥の席へと案内された。


その時琴は微かに舌打ちをした。


料理から離れた場所に座るのが嫌なのだ。


けれど他の席はもう一杯なので、渋々案内された席に座った。


「じゃ、あたし先に取って来るから」


席にも座らず荷物だけを置いて、琴はそそくさと料理の並んでいるテーブルへ急ぐ。


その様子にあたしは呆れてしまった。


学校内でもよく食べていると思ったけれど、外ではいつもこんな風なんだろうか。


それを校内でも出させるためにはどうすればいいだろうか。


考えている間に琴が大量の料理を持って戻って来た。


全部で３人前くらいはありそうな量だ。


「小夜も早く取ってきなよぉ。時間なくなっちゃうよ？」


自分が待たせていたこともすっかり忘れて目の前の料理に釘づけだ。


「わかった。琴は先に食べてていいからね」


あたしがそう言うより先に、琴は料理を口に運んでいたのだった。

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