ロッカールーム
その口から灰色のモヤが立ち上っているけれど、今日はまだ何も起こっていないだめ量が少ないようだ。


琴からはまだ灰色のモヤは見られない。


徐々に不安になっていくのを感じた。


沢山食べるだけじゃ涙も悲しみも存在しない。


琴の中にあるのは幸福感じゃないか?


そう思い始めた時だった。


食べ続けている琴の口から灰色のモヤが立ち上りはじめたのだ。


最初は薄い色をしていたモヤはどんどん濃くなり、量も増えて行く。


今まで見たことがないくらいのモヤが琴の周りを取り囲んでいる。


「すごい」


あたしは思わず呟いたのだった。
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