ロッカールーム
「帰ろうか」
サクがため息まじりにそう言った。
「そうだね」
祖母に黙ってこっそり家を出てきている罪悪感もあった。
あたしが懐中電灯をつけた、その時だった。
「小夜、サク?」
聞き馴れた、だけど懐かしい声が聞こえて来てハッと息を飲んだ。
木製のロッカーへ懐中電灯を向けると、ロッカーの中に立ってほほ笑んでいるお母さんがいた。
「お母さん……?」
あたしは唖然としてそう呟いた。
サクは驚きすぎて声も出ないみたいだ。
「そうよ。あぁ、あなたちこっちへ来て」
お母さんが両手を伸ばす。
あたしは懐中電灯をその場に落として駆け寄った。
お母さんに身を預けると、当時のままの優しい香りがした。
サクがため息まじりにそう言った。
「そうだね」
祖母に黙ってこっそり家を出てきている罪悪感もあった。
あたしが懐中電灯をつけた、その時だった。
「小夜、サク?」
聞き馴れた、だけど懐かしい声が聞こえて来てハッと息を飲んだ。
木製のロッカーへ懐中電灯を向けると、ロッカーの中に立ってほほ笑んでいるお母さんがいた。
「お母さん……?」
あたしは唖然としてそう呟いた。
サクは驚きすぎて声も出ないみたいだ。
「そうよ。あぁ、あなたちこっちへ来て」
お母さんが両手を伸ばす。
あたしは懐中電灯をその場に落として駆け寄った。
お母さんに身を預けると、当時のままの優しい香りがした。