ロッカールーム
☆☆☆

いつかバレるかもしれないと思っていた。


それは今日だったというだけだ。


あたしとサクはリビングに移動していて、目の前には怒った顔の祖母がいた。


「最近夜中にコソコソしてると思ったら、2人してどこに行ってた?」


「別にやましい事なんてしてないよ」


サクがそう言うが、祖母が簡単にそれを信じるハズがなかった。


「どこへ行っていたのかって聞いてるんだよ」


「……学校」


仕方なくあたしはそう返事をした。


下手に隠すよりも学校だと伝えた方が安心してもらえそうだ。


「夜の学校になんの用事があるんだい」


そう聞かれて、あたしはチラリとサクを見た。


サクしきりに時間を気にしている。


早く家を出ないと2時に間に合わない。


1日の内にこの時間しか会う事ができないのに、祖母に時間を取られている場合じゃない。
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