ロッカールーム
「ずっと、こうして会う事ができる?」


「そうね、そうだといいけれど色々と契約があるみたいなの」


「契約ってなに?」


サクがそう聞いた。


「ここで会う事が出来るのは1日1時間だけ。同時に複数の霊に会う事はできない」


「そうなんだ……」


あたしはそう呟いてサクを見た。


本当はお父さんも一緒に出て来てほしかったけれど、それは無理だと言う事だ。


でも、1日1回どちらかに会う事が出来ると言う事だ。


それなら毎日だってここに来ればいい。


1時間だけだって、本物の両親に会えるんだから。


サクもあたしと同じ考えなのだろう、徐々に表情がほころんでいく。


「あたしたち、毎日だってここに来る」


「そうだよな。そうすれば毎日どっちかに会えるんだ」


「あら、ありがとう。そう言ってくれるととっても嬉しいわ」


それからあたしたちは1時間、お母さんとの大切な時間を過ごしたのだった。
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